【視障協だより】令和4年(2022年)12月20日第211号 1/3
【視障協だより】
令和4年(2022年)12月20日
第211号
発行責任者 中神 誠
編集責任者 仲前 暢之
公益社団法人広島市視覚障害者福祉協会
〒732-0052
広島市東区光町二丁目1-5
広島市心身障害者福祉センター4階
TEL 082-264-4966
FAX 082-567-4977
Eメール:jimu@hiroshimashi.shisyokyo.jp
目次
巻頭言・・・・・・3ページ
12月のレシピから・・・・・5ページ
報告・・・・・・7ページ
青年部、講演会報告……7ページ
女性部、第3回研修会……10ページ
白杖コーナー・・・・・12ページ
ちょっと、ひとこと・・・・13ページ
事務局より・・・・・・15ページ
新年祝賀会開催について……15ページ
今月の会員の動き……15ページ
退職のご挨拶……16ページ
編集後記……18ページ
巻頭言(会長 中神 誠)
今年も広島国際映画祭が11月18日(金)から11月20日(日)まで行われました。
バリアフリー映画は11月18日(金)に開会式後「余命10年」(監督 藤井道人、主演 茉莉(まつり):小松菜奈、和人:坂口健太郎)が上映されました。開会式に初めて参加しましたが、超満員で驚きました。松井広島市長も挨拶をされ、広島の文化の一端を感じました。
「20歳の茉莉(まつり)は、不治の病で自分の余命を知り、恋をしないと心に決めていた。しかし、彼女は同窓会で自分の居場所を見失って生きることに迷っている和人と再会する。ひかれ合ったふたりは、思い出を増やしていくことに。しかし、彼らに残された時間は少なく…」と言ったような内容で、終わるころには会場中の涙を誘った。この映画を観ながら中途失明者の皆さんの事を思い出しました。昨日までみえていたのに、今日は視力を失ってしまい途方に暮れ、自分との闘いが始まり、徐々に外出をして、社会復帰までになることは大変なことだと思います。眼科にかかり数年後には、失明すると宣告されたとき、とても不安になると思います。そういう人たちに少しでも気持ちが和らぎ社会復帰ができるようなお手伝いができればと思いました。それぞれの障害の程度や時期は違っても、大変な思いをされたことと思います。広大眼科と視障協が協定を結び、医療から福祉へと連携を取り、少しでも早くスムーズに社会生活がおくれるようになればいいと思います。
今年一年、コロナが邪魔をしましたが、何とか行事も終えることができました。来年も頑張りたいと思います。皆さんのご協力をお願いいたします。
良い年をお迎えください。
【12月のレシピから】
【いりどり】
材料 (5人分)
・鶏もも肉(一口大に切る) 250g
・れんこん(0.7㎝輪切りアク抜き) 250g
・ごぼう(0.5㎝斜め切りアク抜き) 50g
・にんじん(花形に切る) 1/2本
・こんにゃく(0.5㎝色紙切り、アク抜き) 1/2丁
・干し椎茸(水で戻して切る) 2~4枚
・グリンピース(茹でる) 大2
・ごま油 大1
・酒 70ml
・水 100ml ~
・砂糖 大4
・醤油 大4
作り方
① 鍋にごま油を入れて熱し、鶏肉だけ先に炒めて火が通ったら器に取り出す。
② れんこん、ごぼう、にんじん、こんにゃく、干し椎茸を入れて炒める。
③ 酒を回し入れ、水を入れてひと煮立ちさせ、調味料味付して落しぶたをして中火で7~8分煮る。
途中、2~3度鍋返しをする。
④ 取り出した鶏肉を加え、鍋を返しながら少し煮詰める。
⑤ 茹でたグリンピースを最後に加える。
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【報告】
☆講演会報告
青年部(部長 臼井利明)
10月10日の10時から、広島市総合福祉センターを会場に、柿島 光晴(かきじまみつはる)先生をお招きし、視覚障害者にも簡単に用いられる囲碁盤の普及活動についてのお話しと、初心者向けの囲碁体験会を開催しました。
当日は手指消毒等、コロナ感染防止対策をし、受講者と付添者併せて14名の出席で実施しました。
また日本視覚障害者囲碁協会のお申し出により、2名の方に急遽アシスタントとして参加協力をいただきました。
午前中は視覚障害者用の旧来の囲碁盤との出会いや、風前の灯となりかけていた囲碁盤をより使いやすく改良し復刻させる過程のお話しなど、囲碁に関わる興味深いエピソードについても紹介していただきました。
晴眼者ばかりの囲碁の集会にも臆する事なく参加し続けていく姿勢など、柿島先生の囲碁に対する熱意が感じられる講演内容でした。
午後からは、新たに開発された囲碁盤(アイゴツー)を用いて、多面対局形式を中心に、囲碁の基本のルールも含めて体験会を行いました。
実際に囲碁を体験してみると、なかなかおもしろい要素が多くあるように感じて、白と黒のシンプルナ外観とは裏腹に、ものすごく奥が深いものが潜んでいるように感じられました。
私自身は、柿島先生にかなりの手加減をしていただいたにも関わらず、碁石を囲う事ばかりに気を取られ続けるという有様で、最終的な大局となる盤面の領域の確保がまるでなっていない点に気づかされました。
他の参加者の皆さんも、碁石をどこに置けば良いのか夢中で考え込まれているようで、2時間の体験会の時間もあっと言う間に過ぎてしまい、もっと体験時間が欲しかったというような雰囲気が感じられました。
柿島先生は「みらクルTVの中で」視覚障害者への囲碁入門講座として、毎週木曜日の夜にオンライン配信を行われていて、YouTubeを使ってアーカイブ配信も行われています。
*視覚障がい者と囲碁 - みらクルTV 公式サイト
https://miracletv.site/?cat=204
*221124「みらクルTV」221124 視覚障碍者への囲碁入門講座 第117回 ~全日本視覚障害者囲碁大会優勝者をお迎えしての巻 柿島光晴 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=FbxtFJq9I2k
今回日本視覚障害者囲碁協会のご厚意により、(アイゴツー)のご寄贈をいただきました。改めてここに感謝の意を申し上げます。広島市周辺での視覚障害者の囲碁人口は決して多くない状況だと思いますが、これを機会に囲碁を通じた新たな繋がりが作れるよう協力ができると良いなと考えています。
囲碁に関するご意見や、(アイゴツー)の導入にご興味がある方は、臼井の携帯番号までお問い合わせください。
☆第3回研修会
女性部(部長 浦上由美子)
皆さん、こんにちは。
11月6日(日)、10時から広島市心身障害者福祉センター2階会議室1・2・3において、講師にフリーアナウンサー 桑原しおり氏をお迎えし「正しい敬語・尊敬語・謙譲語・丁寧語の使い分けができますか!」~美しい日本語を忘れていませんか?をテーマに介助者を会わせて参加者54名で第3回研修会を開催しました。
ご参加してくださった皆様ありがとうございました。
桑原先生の第一声は、「私も毎日やっている腹式呼吸と発声練習を皆さんやってみましょう」でした。
その後、新人時代のつらい話、ラジオで一緒にパーソナリティーをしている安仁屋壮八さんとのやり取りを取り入れながら次のことを学びました。
「話を組み立てる時のかきくけこ」
*完結に *共感 *具体的に *結論から話す *声に出す
「コミュニケーションのかきくけこ」
*感動する *聴き上手 *グッドアンドニュー *敬語 *ご機嫌で皆さん、二つの「かきくけこ」を明日から使ってみてください!
白杖紹介コーナー
『スライドケーン ナビメイト』
今月は、金属製スライドケーンナビメイトをご紹介します。
ラジオのアンテナタイプの白杖は、折りたたむ必要がないので、収納も非常に簡単です。よく「スライド式の白杖は、強く突いたらすぐに引っ込んでしまう」という話を聞きますが、このナビメイトは、グリップ部分のボタンを押さないと収納しないので、使う時に強く突いても縮みません。また、石突き部分が金属製なのも特徴で、スタンダードとロール式の2種類があります。収納時の長さは、120㎝のタイプが約27㎝、重さは約200g。価格はスタンダードタイプが7800円(別途送料等かかります)。セカンドケーンとしてカバンに入れておくのも良し。誰かと一緒に歩く時用に使って良し。皆様の用途に合わせてお使いください。なお、この白杖は修理不能な製品です。
情報センターにも展示品がありますので、ぜひこの機会に来所いただき、触ってみてくださいね。
【視障協だより】令和4年(2022年)12月20日第211号 3/3
【ちょっと、ひとこと】
(青年部長 臼井 利明)
視覚障害者の代表的な課題として、情報の入手、安全な移動、就労の獲得がよく取り上げられますが、今回は情報の入手について書いてみます。
情報の入手については、ウェブ上や郵送物の確認など、対象となる事柄はあまりにも多いのですが、コロナ禍をきっかけに、外出時における人的支援による情報伝達が受けられない場面が増えてきています。感染リスクの回避と言われれば一応の理解もできるのですが、企業も経済の低迷に対処するための合理化として、人員削減や提供サービスの縮小をより強めて行くと予想されます。
既にスーパーマーケットなどのセルフレジや、飲食店での注文端末などが液晶パネルを用いた方式に置き換わっており、付随する決済も含めて、対応に苦慮されている方も少なくないと思います。このような導入事例は、公共的な施設においても導入される可能性もありますし、同行援護サービスを活用した対処法とは別に、視覚障害者本人が単独でも対応できる仕組みが現実のものとなるよう、積極的な働きかけが必要と感じています。具体的な提案としては、上記のような店舗での商品確認や決済作業、駅や病院といった施設内にある受付で行う各種手続きが、音声ガイドや拡大文字表示を配慮したアプリを用いて、各個人がスマートフォンを介して操作できる仕組みとして運用させる必要があると思います。
それには、官庁等が、公共施設や企業に対して、アクセシビリティを配慮したシステムを導入するよう、是正・指導していただく必要があります。我々当事者も、どのような場面が実際に困るのか、意見の集約を行い、持続して運用が可能な説得力のある要望として請願していく必要があります。
エレベーターの捜査や金融機関の受付システムに、空間ディスプレイも導入されつつあるようですので、アクセシビリティに対応したアプリを介したスマートフォンの捜査手段の実装は、これからの視覚障害者に必須な課題ではないでしょうか?
【事務局より】
☆新年祝賀会開催について
日時:令和5年1月8日(日)
時間:13:30~15:00
場所:広島市心身障害者福祉センター
会議室 1~3
内容:視障協あり方「遠慮のない、率直な意見」を交換できる、茶話会。
参加費:500円
申込:12月23日(金)までに事務局へ
☆今月の会員の動き(11月)
現在の会員数241名(正会員234名 賛助会員7名)
☆退職のご挨拶(職員 高橋 美加)
会員の皆様、職員の高橋です。長い間お世話になりましたが、12月で退職することとなりました。
平成8年4月、視障協にパートの事務員として働き始めたころは、事務所の電話番、会員さんへの手紙の発送、社会参加促進事業の教室の会場予約が主な仕事でした。前職でコンタクトレンズの営業事務をしていたので、ある程度視覚障害についての知識はありましたが、不慣れな対応で会員の皆様にはご迷惑をお掛けしたことが多々あったかと思います。
その後、平成18年から広島市の日常生活用具と補装具の取扱業者となり、お客様への訪問をはじめました。
平成21年4月の歩行訓練事業開始と同時に正職員となり、しばらく事務局と用具取扱・点訳音訳担当を兼務しておりましたが、しだいに日常生活用具と補装具の取扱件数が増え、令和2年度からは事務局を離れて事業担当に専念することになりました。会員の皆様と接する機会が減りましたが、変わらず気さくに声をかけてくださり、かわいがっていただきましたことに心より感謝申し上げます。
視障協での25年間の経験を生かして、また次の場所でも自分の与えられた役割を果たせるよう、精一杯がんばっていきたいと思います。
会員の皆様の健康と幸せと、視障協のますますのご発展を心より願いまして、退職のご挨拶とさせていただきます。
本当に長い間お世話になりました。ありがとうございました。
☆編集後記(編集長 仲前 暢之)
12月に入り日増しに寒くなってまいりましたがお変わりありませんか。
ワールドカップサッカーは、日本がドイツ、スペインに勝利して決勝トーナメントに進出して、日本中盛り上がりましたね。サッカー観戦は、画面が見えないと状況がまったく分からずなかなか楽しむことが出来ないのですが、私はテレビの実況に耳を傾けて日本選手の活躍に一喜一憂しながらワクワク楽しみました。
最近では字幕や音声解説のついた番組も増えてきましたがまだまだごく一部です。すべてのテレビ番組に映像情報の音声解説がつくように、そしてすべての人がテレビ番組の情報を共有することができるように要望しないといけないなと強く思います。バリアフリー社会の実現を目指して頑張りましょう。
行く年を惜しみつつ、来る年を指折り数える年の暮れとなりました。どうぞよいお年をお迎えください。