【ちょっと、ひとこと】


福祉環境部 高松豊
昨年8月に、スイスのジュネーブにおいて、日本が障害者権利条約について国としてどのように実施しているのかを審査する、障害者権利委員会による建設的対話が行われました。
これに関して、国連の障害者権利委員会から様々な指摘がなされた総括所見が出されました。
我々、視覚障害者に少しでも関係のある勧告を書いてみました。
日本の障害者施策が、国際的にどのような評価をされているのかがよくわかります。
(関係のある勧告)
o障害者差別解消法を見直し、障害、性別、年齢、民族、宗教、性自認、性的指向、その他あらゆる状態を理由とした多重・交差的形態の差別、合理的配慮の否定を含め、条約に従い、障害に基づく差別を禁止すること。
o 障害に基づく差別の被害者のために、司法・行政手続を含むアクセス可能で効果的なメカニズムを確立し、包括的な救済を行うこと。
・障害者団体と緊密に協議しながら、政府のすべてのレベルにわたってアクセシビリティを調和させ、ユニバーサルデザイン基準を定着させ、特に建物、交通、情報通信、その他の施設やサービス(主要都市以外も含む)が、市民に開放または提供されるように、行動計画およびアクセシビリティ戦略を実施すること。
o 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」に基づく制限を撤廃し、すべての地域において障害者の自由な身の回りの移動を確保すること。
・分離された特別な教育をやめる目的で、教育に関する国家政策、法律、行政上の取り決めの中で、障害のある子どもがインクルーシブ教育を受ける権利を認識し、すべての障害のある生徒が、あらゆるレベルの教育において、合理的配慮と必要とする個別の支援を受けられるように、特定の目標、時間枠、十分な予算で、質の高いインクルーシブ教育に関する国家行動計画を採択すること。
o すべての障害児の普通学校への通学を保障し、障害児が普通学校で学ぶことを拒否することを許さない「不登校」条項と方針を打ち出し、特殊学級関連の大臣告示を撤回すること。
o 障害のあるすべての子どもたちが、個々の教育的要求を満たし、インクルーシブ教育を確保するための合理的配慮を保障すること、などなど。

今回の対日審査においては、合計で、懸念93項目、勧告は92項目、留意1項目、奨励1項目というたくさんの指摘が、日本政府に対してなされました。
国の障害者差別解消法の一部が改正され、これまで努力義務であった民間事業者に対する合理的配慮も義務化されることとなりました。
国連障害者権利委員会は日本政府に対し、次回は2028年2月20日までに定期報告の提出を求めています。報告には、今回の勧告が国内でどのように実施されたかという情報も含めるように要請しています。
こうした条約や法律、広島市の障害者差別解消条例などをしっかりと学習し、障害の有無にかかわらずだれもが生きやすい社会になるように、今後も言うべきことはしっかりと声を上げていかなければと考えています。
日常生活などでの困りごとや、不当な取り扱いだと感じる場面があればしっかりと声を上げていきましょう。

広島市視覚障害者情報センターよりご案内


☆センスプレーヤー視障協会員優先体験会


 この度、視障協会員様優先で、今話題の「センスプレーヤー」体験会を下記の日程で開催いたします。
センスプレーヤーの詳細につきましては、同封の「広島市視覚障害者情報センターだより6月号」をご覧ください。
日時:2023年7月6日(木)  14:00~16:00
7月7日(金)  10:00~12:00
場所:広島市視覚障害者情報センター
   広島市中区富士見町11番27号 広島市保健所2階
定員:先着各5名
申し込み・問合せ:広島市視覚障害者情報センター 
電話:082-240-1220

【事務局より】


☆納涼交流会(ビアガーデン)開催について



開催日:令和5年8月6日(日)
場所:福屋広島駅前店 屋上
 
詳細は、7月号にて掲載いたします。

☆今月の会員の動き(5月)


現在の会員数244名(正会員238名 賛助会員6名)


☆新採用職員あいさつ


横山 実花
4月から事業部(主に情報センター)担当で9時から13時まで勤務させていただいております。
好きなことは、お酒を飲むこと、韓国ドラマを見ること、お菓子をつくることで、永遠のテーマは「ダイエット」です。
まだまだ勉強不足ですが、一日でも早く業務に慣れて皆様のお役に立ちたいと思っております。これから、どうぞよろしくお願いいたします。

秋田 百合江
5月22日より、情報センターの事業部(主にICT)担当として勤務している秋田です。12年前にICTボランティア養成講座を受講し、派遣ボランティアとして活動していました。
その後広島を離れた時期もありましたが、昨年広島に戻り、再びICTに携わることができて大変嬉しく思っています。趣味は手芸です。

☆編集後記


(編集長 仲前 暢之)
梅雨の晴れ間の青空に心和む今日この頃、お元気でお過ごしでしょうか。
最近、iPhone向けにふたつのアプリがリリースされました。「Eye Navi」と「OKO」というアプリです。
どちらも信号の色を識別してくれます。
わたしのiPhoneは機種が古くて「Eye Navi」を試すことができませんでしたが、「OKO」はカメラが歩行者用信号機を認識すると信号の色を教えてくれます。
音声のついていない信号機や、夜間の横断のときに便利かなと思います。でも、確実に信号の色を認識してくれる訳ではないので、安全には十分注意してお使いください。