【視障協だより】令和4年(2022年)3月20日第202号 2/2
2022.03.17
【用具「耳より」コーナー】
☆読書器の選び方 その4 機種別の特徴(2)
情報センターで体験できる商品のうち、音声読み上げ(ウェアラブル型)と画面音声兼用タイプ、および電子ルーペの商品名と価格、特徴をご紹介します。
※基準額198,000円、原則1割負担で給付が受けられます。
(1)音声読み上げ・ウェアラブル型
●オーカムマイリーダー2
248,000円(1割+50,000円負担)
メガネの左右どちら側でも取り付けて使用できる。読みたいものを指さすか、本体に触れるだけで読み上げる。
●天使眼(エンジェルアイ) 198,000円
メガネの右側だけに取り付けて使用できる。音声で原稿の位置を誘導し、撮影範囲に入ると読み上げる。
(2)画面音声兼用・据置型
●よみあげ名人 198,000円
本体と読み取り器が分離している。いろいろな操作や読み取り画像の表示、読み取り結果が活用でき、設定を細かく変更できる。
(3)画面音声兼用・携帯型
●コンパクト10スピーチ 226,000円(1割+28,000円負担)
タッチ操作のシンプルデザイン。音声読み上げのみの簡単モードと、画面拡大と音声読み上げを兼ねた標準モードを切り替えて使用。
●オムニリーダー 198,000円
ボタンとダイヤル操作。画面拡大モードと音声読み上げモード切り替えて使用。カレンダー・リマインダー等多機能。
(4)電子ルーペ クローバー3 29,800円
画面は小さいが、外出先で商品表示の確認などに便利で安価。申請も可能ですが、据置型との併用(2台目購入)にお勧め。
※上記以外でも取扱可能な機種があります。情報センターへご相談ください。
※今回の特集ではご紹介できませんでしたが、情報センターで3月から、画面拡大タイプの読書器「ズーマックススノー12」「ぺブルHDベーシック」と、電子ルーペ「クローバー4」を新たに常設展示しています。その他の展示品も増えましたので、詳しくは来月お送りする「情報センターだより4月号」をお楽しみに。
※偶数月は「情報センターだより」も同封されています。メール配信の方は情報センターのHPをご覧ください。
☆白杖紹介「シンボルケーン・パートナー」
今月、ご紹介する杖は、太めのグリップ好きにおすすめ!
『シンボルケーン・パートナー』
シンボルケーンはシャフト部分もグリップも細いタイプが一般的ですが、パートナーはグリップ部分が太く、大きな手の方でも握りやすいのが特徴です。
スキーのストックにも使われる軽くて丈夫なジュラルミン製のシャフトも魅力的です。
6段折りで、長さは90㎝~130㎝までの5㎝間隔で選べます。折りたたんだ時のサイズは約23㎝(120㎝の場合)。専用の袋付きです。価格は6,000円(別途送料等かかります)
シンボルケーンは誰かと一緒に歩く時のお供だったり、見えにくい時に、さっとカバンから取り出して使ったり、普段使いの杖が壊れた時用の予備の杖としても、一本あると安心しますよね。カバンの中の頼れる一本にどうですか?
さて、来月紹介する白杖は「使っている人一番多いという説」がある白杖です。お楽しみに。
【ちょっと、ひとこと】
(あはき部長 新谷 幸司)
ここ何年か、いろいろな事情で治療院をたたまれる方がおられ、オートクレーブ、電療器具、電動ベッド、ソファーなどの処分に困っているという話をよく聞きます。逆に、「そういうのがあれば譲ってほしかったのに」と思われた方もおられます。そこで、売りたい物や引き取ってほしい物があれば、視障協の「お好み」メーリングリストに掲載されてはいかがでしょうか。せっかく何でも投稿できるメーリングリストがあるのですから利用しない手はないですね。
ところで、2月6日に中国ブロック会代表者協議会がオンラインで行われました。日本視覚障害者団体連合はあはき4団体の一つなので、あはき関連の話し合いもありました。特別給付金制度、免許保有証、保険取り扱いなどの手続きや様式を簡略化したり、視覚障害者でも扱えるフォーマットにするといった要望が出されました。いずれも晴眼者にとっては何でもないことですが、視覚障害者にとってはいくら努力しても自力ではどうしようもないことばかりです。
視障協は他のあはき団体とは違い、圧倒的優位な立場にある晴眼者と同じ土俵であはき業ができるようにすることも大きな役割です。
また、このような問題を直接国に言うことができるのも視障協です。
冒頭のフリーマーケットの話も、メルカリには及びませんが視障協という団体だからできることの一つではないかなと思います。
【事務局より】
現在の会員数239名(正会員231名 賛助会員8名)
*視覚障害で困っている人、一人で悩んでいる人がおられましたら、視障協への入会をご案内ください。
☆編集後記(編集長 仲前 暢之)
桜の便りも聞かれるようになりましたが、
会員の皆様いかがお過ごしですか。
先月うれしいニュースが飛び込んできました。
健常者向けあん摩マッサージ指圧師養成学校の新設を制限した法律が、憲法の職業選択の自由に違反するかが争われていた3件の訴訟の判決があり、最高裁で視覚障害者保護規定は「合憲」と判断。原告側の上告を棄却し合憲とする判断が確定しました。本当によかったなと思います。
けれども、現実は厳しいことになっています。
厚生労働省によると、2020年の、あまし師の就業者数は、視覚障害者2万6507人に対し健常者は9万1596人。1990年と比べると視覚障害者は約9000人の減少に対して健常者は約3万5000人増えているそうです。
私たち視覚障害者は、これからさらなる技術の向上を目指し、社会に貢献できるよう一層の努力をしていかなければいけないと感じています。