【視障協だより】第200号 4/5




【用具耳よりコーナー】


☆読書器の選び方 その2 どうやって選ぶ?


今回は、読書器を選ぶ判断基準についてです。




●画面で読みたい方


最初に「見えやすさ、読みやすさ」で機種を絞りましょう。拡大読書器は「見える、読める」ことが何より大事です。機種により見え方が異なりますし、自分の目との相性もあります。他人の意見は参考程度で、自分の目で確かめましょう。自分が読みたい新聞や本などを読めるか、読みやすいかを確認して、自分が使える機種を絞ります。


次に使い勝手や機能の違いで商品を選びます。


据置型の拡大読書器は、一度に広い範囲を表示でき、バッテリー消耗を気にせず使えますが、置き場所を取ります。


携帯型の拡大読書器は、家でも外出先でも場所を問わず使用できますが、表示範囲が狭く、読書器を動かしながら読む必要があります。(テレビに接続できる機種もありますが、表示範囲が狭いまま拡大しますので、据置型と同じ使い勝手ではありません)


「置き場所がない」ので携帯型を使う場合、一日の使用時間が長くなると1~2年でバッテリーが消耗しますので、注意が必要です。


外でも使いたい方は「電子ルーペ」を併用する方法もあります。




●音声で聞きたい方


音声読書器の読み上げの精度は、あまり期待しないでください。残念ながら、正確に読み上げる機種はありません。どの商品でも、別の字に認識する、読み方を間違える、文字でないものを読む、2文字を1文字で認識するなどの処理間違いは起きますので、「何が書かれているか、なんとなくわかる」機器だと思ってください。読みの精度にはそれほど違いはないので、機能や使い勝手で選ぶとよいでしょう。


据置型の音声読書器は、他の機種よりも機能が充実し、充電残量などを気にせず使用できますが、置き場所を取ります。


ポータブル型の音声読書器は、ボタンが大きくて操作がわかりやすく、バッテリーだけで長時間使用できますが、機能は限定的です。


ウェアラブル型の音声読書器は、コンパクトで場所を選ばず使えますが、使用時間が1時間半程度と短く、充電しながら使用できませんので、長時間続けて使いたい人には不向きです。




●画面と音声のどちらにするか迷ったら


画面拡大機能と音声読み上げ機能の両方が使える兼用タイプがあります。今の見え方、目の疲れやすさや視力の低下の状況によって、選択肢に加えるとよいでしょう。兼用タイプは両方使えるのがよいところですが、画面拡大専用、音声読み上げ専用のものと比べると劣る点があったり、価格が高くなったりします。




●8年間使うことを考えましょう


読書器は日常生活用具で給付を受けると、次の給付は8年後です。拡大読書器の給付を受けたけどすぐに使えなくなってしまった……ということがないように、いま使えるかどうかだけでなく、今後のことも考えながら選びましょう。




※次回は、機種別の特徴をご紹介します。どうぞお楽しみに。






☆白杖紹介


今月ご紹介する白杖は、これまで紹介した杖とは打って変わって重量のある、ポケッタブルケーン2。     


2018年に惜しまれつつ販売終了したポケッタブルケーンが、ジオム社の製作によって復活。グリップ部分が細くなり、握りやすくなっています。軽金属のシャフトで、つなぎ目部分は4.5㎝と長く、がたつきが抑えられるよう設計されています。


重さは約230g、折りたたんだ時の長さは約33㎝です(いずれも117㎝の場合)87㎝から147㎝まで5㎝間隔で取り扱いされています。価格は4段折り、スタンダードタイプが6,000円です。(別途、送料等がかかります)


石突きはスタンダードタイプのほかに、ローラーチップ、マシュマロチップ、NEWマシュマロチップ(涙型のティアドロップです)の4種類。


軽金属の杖は重そうなイメージがありますが、使い慣れた方からは「この重量感がいい」という声も聞きます。ぜひ白杖購入、申請時の参考にしてみてください。






【ちょっと、ひとこと】(女性部部長 浦上由美子) 


あけましておめでとうございます。


女性部部長を担当しています浦上です。


2021年度の第1回、第2回研修会は新型コロナウイルス感染拡大防止を考慮し、延期、中止となりました。第3回研修会「椅子に座ってできるヨガ」は、10月15日より新型コロナウイルス感染拡大防止「期間集中・自粛期間」が解除になり、心身障害者福祉センター2階会議室1、2において開催しました。


参加された皆さんは、部屋に入るなり「○○さん元気だった?久しぶりだね」と飛び交う声もはずみ笑顔の輪が部屋いっぱいに広がっていました。1年10か月余りのコロナ禍生活の中でメールやズームでの会話では得られないもの、私は久しぶりの研修会で会って話ができる喜び、出かけられる場所があることに感謝の気持ちでいっぱいでした。


2022年度はコロナも落ち着き各教室、研修会が出来ることを願い、皆さんのご参加をお待ちしております。男性の方もどうぞ!


今年もどうぞよろしくお願いします。