視障協だより197号




青年部(部長 臼井利明)


☆第67回全国視覚障害青年研修大会


(神奈川県大会)


9月19日・20日において、第67回全国視覚障害青年研修大会(神奈川県大会)が日本視覚障害者団体連合並びに神奈川県視覚障害者福祉協会主催で神奈川県厚木市のレンブラントホテル厚木を会場とし、オンライン会議を併用した方式で全国の視覚障害青年と関係者が出席し開催されました。


本会青年部からは、オンライン参加のかたちで、4名が参加しました。


代表者会議では、令和2年度事業報告、決算報告と、令和3年度事業計画と予算が審議・承認され、青年協議会役員選挙においては、会長に、静岡県の片平考美さん、会計監査委員に、神奈川県の齋藤健二さんと、札幌市の石田由香里さんが選ばれ、次期就任となりました。


提出議題検討会においては、生活、教育、移動支援などから11題の議題が提出され、青年協議会に対する要望についても話し合われました。


提出議題については、全国委員会での話し合いも経て、以下の3つの議題を次年度の全国視覚障害者福祉大会に議題提出する事となりました。


1.飲食店・小売店等で進むサービスの無人化に、有人支援などの代替手段の確保を求める指針の策定を要望する。


2.視覚障害者の職域を広げるため、ICTスキルの習得を目指す専攻科を各地域の盲学校に設置するよう要望する。


3.賃貸住宅の貸主や不動産業者に対し、障害に関連した貸し拒否は差別的な取り扱いであることの周知・指導を要望する。


2日目は研修会と式典が行われ、全日本ろうあ連盟青年部中央委員会の清水愛香さんに「当事者団体の青年部活動のこれから~ 持続可能な当事者団体を目指して~」というテーマでオンラインにてお話しいただきました。手話通訳者2名の方のご協力もあり、全国各地にいる視覚障害者がオンラインで意見交換する事もでき、障害が異なっても団体活動の重要性や課題に違いは無い事が分かりました。


その他新しい試みとして、オンライン交流会も開催されました。


仕事や遠方在住といった事情から団体活動の場に参加しにくい20代・30代の若者達の生の声も聞く事ができ、改めて若い力の重要性を確認できました。


次年度の同大会は、9月18日・19日に福岡県久留米市で開催予定となっています。


なお大会式典で発表された大会決議は以下のとおりです。


1.視覚障害者の安全な移動を実現するため、鉄道、駅でのホームドア設置を促進するとともに、駅構内等の案内表示や階段の段鼻の色付けを弱視者にもわかりやすいものにするなど、対策の徹底を要望する。


1.視覚障害者の道路横断時の安全を確保するため、音響式信号機の設置個所を増やすとともに、押しボタンや小型送信機が24時間対応できるよう対策を講じるよう要望する。


1.鍼灸マッサージ師の権益を守るため、あはき法第19条を堅持し、国民の命と安全を守るために、鍼灸マッサージ施術は国家免許資格者のみが行えることを広く社会に啓発するとともに、無資格医療類似行為者の一掃を強く要望する。


1.食品のパッケージに記載されている消費期限、賞味期限を明確に記載するとともに、QRコードでの読み取りができるよう要望する。


1.視覚障害を理由として賃貸物件の借用制限を行わないよう関係業者に周知するよう要望する。


1.視覚障害者の職域を広げる目的で、ICTスキルが習得できる課程を特別支援学校に設置するよう要望する。


1.民間企業に雇用されている視覚障害者やあはき業などの自営業者への職場介助者制度のさらなる充実を要望する。


1.あらゆる業種において、障害者差別解消法の理念に従った適切な合理的配慮が提供されるよう要望する。


1.家電製品やIT機器の開発において、使いやすい操作ボタンや音声ガイドが充実するとともに、点字、拡大文字、ウェブサイト等により視覚障害者に充分な情報提供が行われるよう要望する。


1.金融機関の窓口、ATM、ネットバンキング等での金融取引、クレジットカード契約や、各種会員登録手続を、視覚障害者も支障なく行えるようハード、ソフト両面の改善を要望する。


1.店舗等でのセルフレジの普及により、視覚障害者が買い物において困難に直面することがないよう、小売店等が適切な配慮を行うことを要望する。 また電子マネーの利用が広がる中にあって、視覚障害者も安心してこうした決済サービスを活用できるような指針策定を要望する。